発作性上室性頻拍症のカテーテルアブレーションに伴う合併症としては以下のようなものです。実際は当院での合併症の数が少ないため(最近5年間で穿刺部内出血以外の下記合併症は起きていません)、一般的な合併症の発症率を示します。
(1)脳梗塞:0.2%
カテーテルを左心室や左心房に挿入する必要がある際に、カテーテル先端に付いた血栓等が飛んで、脳を栄養する血管につまると脳梗塞を起こしえます。当院で発症したことはありません。
(2)完全房室ブロック:1%
房室結節回帰性頻拍等で遅伝導路を焼灼する必要がある際に、正常の刺激伝導路に熱が及び完全房室ブロックを起こし除脈になるために、ペースメーカーを植え込む必要性があります。当院での発症はありません。
(3)心タンポナーデ:0.6%
焼灼により心筋が脆弱となり、そこから血液がもれることがあります。その量が多いと血液そのもので心臓を圧迫し、血圧が下がり、除脈となりショック状態になりえます。こうなれば別のカテーテルを血液が溜まった部位に挿入し、抜かなければなりません。
(4)穿刺部内出血
カテーテルを挿入した部位から、止血後にない出血する可能性があります。自然に治ります。