上図は当院の高橋 淳(たかはしあつし)循環器部長が心房細動アブレーションのメッカであるフランスボルドー大学への留学から帰国後、考案した独自の心房細動アブレーション法です。
従来は一本ずつ肺静脈を隔離していました。しかしそれでは肺静脈狭窄等の合併症が生じてしまい、尚且つ肺静脈開口部周囲の心房細動興奮部位を取り逃してしまい、結果として心房細動根治率が50%程度でありました。
それを改善すべく、左右それぞれの肺静脈を上下同時に広範囲に焼灼することにより、心房細動根治率が格段に改善し(最終根治率90%)、肺静脈狭窄の合併症も起こらないようになったのです。
(2002年日本循環器学会、北米心臓ペーシング学会等で発表)
しかしながら、広範囲に焼灼するためにその技術はさらに困難となり、一般化しにくく、高い成功率は限られた施設のみでしか維持不能となっています。