1) 房室回帰性頻拍(WPW症候群)
洞結節から発信された電気信号は、必ず心臓の真ん中の壁に存在する房室結節を通って心室へ伝わり、心室を収縮させ、それ以外の電気信号の通り道はありません。しかしながら、この房室結節(正常伝導路)以外の心房と心室の間に副伝導路(ケント束)という電気の通り道をもっている方がいます(これを持っている方をWPW症候群と言います)。頻拍でない場合は、房室結節(正常伝導路)と副伝導路の2つの伝導路から心室へ電気信号が伝わります(そのため、頻拍がなくても正常な方と異なる心電図波形となりWPW症候群の診断がつきます)。しかしながら、頻拍時には、電気信号が房室結節を下降し心室に伝わり、その電気信号が副伝導路を上行し心房へ伝わることにより、電気旋回路が形成され、頻拍となります。